研究課題
R2年度は、R1年度に構築した合成糖鎖提示システムを用いて、Influenza A H1N1 (A/WSN/33) およびInfluenza A H5N1 (A/Vietnam/1194/2004)との結合能の検証を行った。昨年度の課題であった発現細胞株の選定を行った。α2-3結合、α2-6結合のシアル酸にそれぞれ結合するレクチンであるMAMおよびSSAを用いて、幾つかの候補となる細胞株で検討を行った結果、シアル酸の発現が低いCHO-Lec8株を選定した。この細胞株にα2-3結合、α2-6結合のシアル酸を末端に有する合成糖鎖リガンドを提示し、蛍光標識したH1N1およびH5N1を添加したところ、合成糖鎖の構造依存的にそれぞれのヘマグルチニンが結合すること確認した。尚、今回用いたCHO-Lec8株では、SSAと低結合能という既報での結果とは異なる若干高い結合能を示したため、現在イメージングにおける至適条件を検討中である。
3: やや遅れている
コロナ渦により、大幅に研究が遅れたため。ただし令和3年度への期間延長申請を行ったため、期間内には計画を遂行できる。
R2年度はコロナ渦で実験計画が停滞していたが、本研究から発展したHaloTag技術を用いた合成糖鎖提示細胞の構築と、シアル酸構造の異なる2つの糖鎖リガンド(それぞれヒトインフルエンザ、鳥インフルエンザに結合する構造を有する)の合成に成功し、これを用いた結合実験を検証中である。
コロナ渦により実験計画に遅延が生じたため、試薬などの物品費に対する使用が滞った。次年度には実験計画に准じた予算執行を行う予定である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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