北海道の大規模畑作地帯には黒ボク土と呼ばれる火山灰土壌が広く分布し、作物生育に不可欠であるリンが固定されるためリン酸肥料を多く施用してきた。しかし、リン酸肥料の原料にはカドミウムなどの有害重金属が含まれ、土壌に蓄積したり、作物に吸収されたりする可能性がある。 本研究の結果、畑土壌にはリンともにカドミウムが多量に蓄積しているものの、黒ボク土ではカドミウムが作物に吸収されにくく、バレイショ塊茎のカドミウム濃度は低いことが証明された。他の土壌が分布する地域でも、土壌酸性を改良したり、カルシウムを含む肥料を施用したりすれば、私たちの健康に影響を及ぼさないことが可能である。
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