• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

根端メリステムを有害元素から防御する分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K05377
研究機関北里大学

研究代表者

浦口 晋平  北里大学, 薬学部, 講師 (20638837)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードシロイヌナズナ / 有害金属 / 根端分裂組織 / オーキシン / ファイトケラチン
研究実績の概要

本研究では,シロイヌナズナのファイトケラチン合成酵素AtPCS1の機能欠損変異株cad1-3の解析を基礎として,ヒ素,カドミウム,水銀化合物などの有害金属が植物の根端分裂組織(メリステム)に及ぼす毒性と植物側の防御の分子メカニズムの理解を進めることを目的としてきた。その結果,根端の細胞周期とオーキシン恒常性の撹乱が水銀化合物の毒性の特徴として示唆され,AtPCS1依存的なファイトケラチン合成が防御システムとして機能する可能性が示されてきた。最終年度は(1)オーキシン輸送体への水銀化合物の影響と根端のオーキシン分布,(2)水銀化合物によるAtPCS1依存的ファイトケラチン合成の誘導のin vitroでの検証,(3)ファイトケラチンと水銀化合物の結合性の検証に焦点を当てた。(1)については,オーキシン輸送体のマーカー系統(pPIN1-PIN1-GFP,pPIN2-PIN2-GFP,pPIN3-PIN3-GFP)およびオーキシンのレポーター系統(DR5rev:GFP)の顕微鏡観察を実施した。無機水銀処理とフェニル水銀処理を比較すると,フェニル水銀特異的に根端のPIN1,PIN2,PIN3の発現低下が観察され,連動してオーキシンレベルが低下した。無機水銀ではPIN3の発現低下が観察されたものの,根端のオーキシンレベルは上昇傾向を示した。(2)について,AtPCS1の組換えタンパク質を大腸菌から精製し,水銀化合物に応答したPCS活性を調べたところ,フェニル水銀によってもPCS活性は誘導され,in plantaでの結果を支持した。(3)については前年度までに確立したペプチド担持ビーズを用いてファイトケラチンと水銀化合物の結合性試験を行い,フェニル水銀が無機水銀と同様のファイトケラチン親和性を示すことを明らかとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Selection of Agar Reagents for Medium Solidification Is a Critical Factor for Metal(loid) Sensitivity and Ionomic Profiles of Arabidopsis thaliana2020

    • 著者名/発表者名
      Uraguchi Shimpei、Ohshiro Yuka、Otsuka Yuto、Tsukioka Hikari、Yoneyama Nene、Sato Haruka、Hirakawa Momoko、Nakamura Ryosuke、Takanezawa Yasukazu、Kiyono Masako
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 11 ページ: 503

    • DOI

      10.3389/fpls.2020.00503

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リアルタイム PCR を用いたシロイヌナズナの DNA 損傷定量法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      浦口晋平,田丸夏帆,鈴木真帆,大城有香,中村亮介,高根沢康一,清野正子
    • 学会等名
      第62回日本植物生理学会年会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi