(1)根粒特異的なアスパラギン酸プロテアーゼの相互作用因子を同定するため、ミヤコグサの根粒EST由来のライブラリーを用いて、酵母ツーハイブリッドスクリーニングを実施した。スクリーニングには、野生型および活性中心に変異を導入したアスパラギン酸プロテアーゼを使用した。その結果、Pentatricopeptide Repeatを持つタンパク質、zinc fingerタンパク質、TIME FOR coffee-like proteinの3つが相互作用因子の候補として得られた。これらの因子は野生型および変異型のアスパラギン酸プロテアーゼの両方のスクリーニングで得られたことから、活性非依存的な結合であると考えられた。また得られた候補因子の遺伝子発現を調べたところ、zinc fingerタンパク質をコードする遺伝子は、野生型植物の根粒(10日目)では発現が低下するが、アスパラギン酸プロテアーゼ遺伝子の変異体の根粒(10日目)では低下しないことが分かった。 (2)昨年度、発現する組織の特異性に問題があることが判明したシステインプロテアーゼについて、今年度、プロモーター領域を上流に伸ばし、再度プロモーターGUS解析を実施したが、発現パターンに変化は見られなかった。そのためシステインプロテアーゼプロモーターを用いたアスパラギン酸プロテアーゼ遺伝子の過剰発現の実施は保留した。 (3)老化根粒におけるアスパラギン酸プロテアーゼおよびシステインプロテアーゼ遺伝子の発現について、ミヤコグサで実施した実験データをとりまとめ、他のマメ科植物における発現と比較した結果、マメ科植物に共通した発現変動を示すことが分かった。
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