微生物が持つ新しい糖質異性化酵素群を活用した糖質変換技術の開発と応用

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K05382
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分38020:応用微生物学関連
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 佐分利 亘 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (00598089)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: マンノース2-エピメラーゼ / セロビオース2-エピメラーゼ / マンノース / タロース

研究成果の概要

多様な構造を持つ糖質は様々な優良な機能を持つが，自然界での糖質の存在は極端に偏っている.このため有用な希少糖質の活用には豊富な糖質資源を原料とした酵素合成技術の充実が必要である.本研究ではマンノース2-エピメラーゼ(ME)に関し，当初発見されたRunella slithyformis由来酵素に加えて，Dyadobacter fermentansなど複数の菌株が保有するホモログの機能を明らかにした.また，MEの類縁酵素の解析により，β1-4二糖に加えてグルコースやガラクトースなどの単糖にも作用する広い特異性を持つセロビオース2-エピメラーゼを発見した．

自由記述の分野

酵素化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

多様な機能が期待される糖質の有効利用には糖質合成技術の充実が不可欠である．本研究では，自然界に豊富な糖質資源を希少糖質も変換する異性化酵素に注目した．本研究で詳細な機能を明らかにしたME酵素はグルコースをマンノースに変換する酵素であるが，マンノースは鶏卵のサルモネラ汚染の防除剤やヒトの尿路感染症予防剤として有用であることから，本研究成果はマンノースの効率生産技術の基盤として貢献すると考えられる．