スペルミンやスペルミジン等のポリアミンは、老化に伴って細胞内濃度が減少する一方、癌細胞では高濃度で存在することが知られており、健康寿命や癌との関連性が示唆されている。eIF5Aはスペルミジンを基質として、その活性に必須なハイプシン化修飾を受ける唯一のタンパク質であり、癌の転移などにも重要であることから、老化や癌の研究において重要な研究対象となっている。これまでの研究はeIF5Aそのもの、あるいはハイプシン化の一段階目の反応に注目したものばかりである一方、本研究では二段階目の水酸化反応により制御を受けるタンパク質を同定したことから、eIF5Aの機能の全容を明らかにする手掛かりとなると考えられる。
|