自然界の微生物のなかには高次倍数体(三倍体以上の倍数体)が少なからず存在しており、高次倍数体では二倍体に比べるとゲノム安定性が低いとされている。本研究では、相同組換えによるDNA修復に注目し、RecombinaseをコードするRAD51遺伝子と、最重要のMediatorをコードするRAD52遺伝子の過剰発現がDNA修復エラー発生率に及ぼす影響を評価した。野生型遺伝子を有する酵母では、グルコース含有培地と比べてガラクトース含有培地で培養した場合にDNA修復エラーの発生率が上昇することが確認されたが、RAD51またはRAD52遺伝子の過剰発現により、これを抑制できることが示された。
|