核内ゲノムにコードされた葉緑体蛋白質の前駆体は、独自の包膜蛋白質輸送装置(トランスロコン)を利用して、サイトゾルより輸送される。エネルギー制限下で、前駆体はトランスロコン中で停止した初期膜透過中間体が形成され、本中間体の解析を中心に研究が進んできた。しかし、初期段階以降の輸送が完了するまでの蛋白質輸送機構については未解明である。本研究では、蛋白質輸送途上における蛋白質間相互作用の解析を目的として、前駆体をトランスロコンに目詰まりさせることで蛋白質輸送が途中で停止した後期膜透過中間体を獲得するために、立体障害を導入した前駆体蛋白質の開発を行った。
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