ジャガイモシストセンチュウは、ナス属作物の根に寄生し甚大な被害をもたらす重大害虫である。線虫卵の孵化は宿主根から分泌される孵化促進物質(Hatching Factor: HF)であるソラノエクレピン A (SEA)により誘導される。本課題の目的は、(1)植物自身がHFを生合成していることを実証する、(2)HFの精製方法を確立する、(3)HFの生合成系を解明する、である。(1)HFはジャガイモ根から分泌される物質であることが明らかとなった。(2)ジャガイモ水耕液からHF精製法を確立し、水耕液中には SEA以外のHFの存在が示唆された。(3)HF生合成に関与する酵素を候補として選抜した。
|