ADPリボシル化はタンパク質の翻訳後修飾の一つであり、NAD+からADPリボースをタンパク質に転移させる反応である。本翻訳後修飾は、DNA修復、転写制御など、様々な細胞プロセスに重要である。生物学的重要性は明らかになってきたが、ADPリボシル化の詳細な機能については未だ解明されていない。分子レベルでの機能解明研究の妨げとなっている主な問題点として、構造均一なADPリボシル化分子の供給の難しさが挙げられる。そこで本研究では、ADPリボシル化分子の高効率合成法の開発を目的とした。リン酸クロスカップリング反応による無保護ピロリン酸結合形成を確立し、モノ及びジADPリボースの化学合成に応用した。
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