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2020 年度 実施状況報告書

見過ごされていた立体選択的反応の開発を起点とする薬剤耐性菌克服に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K05465
研究機関東京農業大学

研究代表者

矢島 新  東京農業大学, 生命科学部, 教授 (30328546)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード天然物合成 / 不斉合成
研究実績の概要

確立した立体選択的ジヒドロキシル化を鍵段階とする光学活性アリルアルコール類の合成法を用いて基質一般性についてさらに検討し、様々な基質に本手法が適用可能であることを立証できた。その手法を適用することでアブラナ科植物黒腐病菌に対する抗菌活性を有するpeniciaculin AおよびBの全合成を達成するとともに、hydroxysydonic acidや1,3,5-bisaboratrien-7-olの合成を達成した。hydroxysydonic acidについては天然物の絶対立体配置の決定が曖昧であったが、高い鏡像体純度での合成を通じて確かな物性を測定することができた。1,3,5-bisaboratrien-7-olについてはウコンかの香気成分としての報告があることから、香気特性について評価した結果、両鏡像体間で有意な特性の差が認められることを見いだした。現在それらの結果についてまとめた論文を投稿中である。
一方、amphidinin類の合成研究については、中間体の酵素による光学分割についてさらに検討し、望む立体異性体を95%以上の光学純度で得ることが可能な反応条件を見いだすことができた。その化合物を既知の化合物へと誘導することで、我々の合成した化合物の立体化学が正しいことを証明することができた。また、この結果はamphidinolide Qを含む数種の天然物の形式合成を達成したことにもなっており、開発した手法の有用性を示すものと考えている。
また、酵素反応に関する知見を生かし、zealexin類の合成研究に役立てることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の流行に伴う大学の閉鎖措置などにより、研究の進捗が著しく妨げられてしまったため、当初の計画通り研究が進まなかった。

今後の研究の推進方策

Amphidinin類の全合成を達成するべく、北部位の立体選択的構築法を開発し、構造活性相関研究へのサンプル供給を行う。立体異性体混合物ではあるが、既にデメチル体の合成は完了しているので、現在抗菌活性試験を依頼しているところである。また、amphidinolide類とamphidinin類の生合成の関連性についての知見を得るため、リボフラノシド部位の改変についても検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の流行に伴う大学の閉鎖などがあり研究が進展しなかった。また、当初予定していた国際学会への参加についても学会が延期となるなど出張費もかからなかったため。
本年度も学会等がオンライン開催となることが多い可能性があるので、その分は消耗品などの購入にあて、研究を遂行する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and Determination of Absolute Configuration of Zealexin A1, a Sesquiterpenoid Phytoalexin from Zea mays2021

    • 著者名/発表者名
      Yajima Arata、Shimura Mikaho、Saito Tatsuo、Katsuta Ryo、Ishigami Ken、Huffaker Alisa、Schmelz Eric A.
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: 2021 ページ: 1174~1178

    • DOI

      10.1002/ejoc.202001596

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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