本研究の目的は、食品内部の成分や状態の分布を空間的かつ非破壊的に分析可能なフードスキャナー装置を開発することである。この目標を達成するために、「1.多成分分析対応型フードスキャナの光源部の改良」、および「2.他成分分析対応型フードスキャナーの演算部の改良」ならびに「3.食品成分の屈折率を網羅的に分析するための装置の製作」を遂行した。 「1.多成分分析対応型フードスキャナの光源部の改良」は、研究計画当初の予定ではこれまでに構築してきた試験用装置に可視光レーザーを導入し、さらに広帯域用の光学部品に換装して高速分析に対応した。既製品の調達ではなく独自に光源を開発したことで、フードスキャナー装置の開発により適した仕様とすることができ、結果として分析精度と分析の速さに貢献する光源を得ることができた。 「2.他成分分析対応型フードスキャナーの演算部の改良」では、演算用のソフトウェアを調達し、従来のプログラムでは対応できていなかった高解像度分析をおこなうことができるようになった。具体的には、500×500ピクセルの分析を1秒以内に遂行できるようになった。 「3.食品成分の屈折率を網羅的に分析するための装置の製作」では、可視光全域にわたり食品成分の屈折率測定を可能にする装置を開発した。種々の食品成分について、様々な波長および温度に対する分散を解析した。食品成分は、おもに糖類及び糖質とし、水溶液中での値を測定した。
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