乳児期の栄養状態は成人後の疾患リスクにも影響を与えるため、乳成分の消化・吸収プロセスを理解することは生涯健康の維持に重要である。そこで本研究では、乳成分のうちタンパク質が乳児消化管内で生理機能を発揮する分子メカニズムを理解するため、腸上皮細胞によるエンドサイトーシスおよび細胞内消化の果たす役割について評価・解析を行った。乳児マウス腸内での乳機能性タンパク質ラクトフェリン(LF)の分解を解析したところ、消化管内での分解は限定的であり、LFは未分解のままでも体腔内へと吸収されていた。また乳成分の機能解析の基盤研究として、乳児期腸管の発達に伴う遺伝子の発現および腸内細菌叢の変化について解析した。
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