研究課題
基盤研究(C)
小腸に点在するパイエル板では、IgAへのアイソタイプスイッチの頻度が高く、腸管IgA産生の誘導部位として考えられているが、その機構は不明な点が多い。本研究では、パイエル板B細胞の抗原特異性、IgAのin vivoにおける機能、およびIgA誘導機構について検討した。その結果、パイエル板は、主要な応答抗原であるDNAに対するIgAおよび経口抗原に対するIgA産生の誘導の場であり、IgA産生は、IL-21およびIL-5により亢進することを明らかとした。
食品科学
腸管で産生されるIgA抗体については、一部は腸内細菌に結合するなど、特異性などが徐々に明らかにされつつあるが、詳細な解析は行われてきていなかった。本研究の結果は、IgA抗体の特異性を明らかにしたことにより全体像が見え、解析の方向性を定める点で、重要な知見となったと考える。また、IgA抗体産生誘導機構の一部が明らかとなり、今後の解析の上で重要な知見となったと考える。