本研究では、まず食後高脂血症増悪化のメカニズムを明らかにするため、脂肪含量の違い、あるいは構成脂肪酸の種類の違いで食後高脂血症を評価したところ、脂肪含量が大きくなるにしたがい、また飽和脂肪酸含量が多くなるにしたがい、食後高脂血症が増悪化することが明らかとなった。このとき腸管上皮組織での炎症性サイトカイン発現が増加していたことから、食後高脂血症の増悪化に飽和脂肪酸による腸管炎症が関わっていることが示唆された。一方で、技術的な問題からDHA・EPAの存在形態による抗炎症作用の違いについては、研究期間中に明らかにすることができなかった。
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