研究課題/領域番号 |
18K05489
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
川村 理 香川大学, 農学部, 教授 (30204770)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニバレノール / モノクローナル抗体 / マイコトキシン / トリコテセン系カビ毒 |
研究実績の概要 |
ニバレノール(NIV)は、代表的なトリコテセン系カビ毒であり、国内産麦類を高頻度に汚染している。特異的抗体はいまだに作製されていないNIVに対するモノクローナル抗体作製し、NIVの簡易分析法の確立を目的とした。 まず、NIV-オキシム化体を作製後、分取HPLCで精製した。溶性カルボジイミド(EDPC)の至適反応条件を検討した後に、NIV-オキシム化体と水ウシ血清アルブミン(BSA、免疫源)及び卵白アルブミン(OVA、固相抗原)と結合させた。NIV-EDPC-BSA結合体でBALB/cマウスを免疫した場合、EDPCの副反応生成物に対する抗体しか誘導きなかった。そこで、EDPCとは異なるカルボジイミドであるN,N'-dicyclohexyl carbodiimide (DCC)を用いて、NIV-DCC-BSA結合体を作製し、3回免疫を行った。その結果、5匹中1匹でNIVに対する特異抗体を誘導できたが、その抗体価はあまり高くなかった。次に、カチオン化BSAにDCCを用いて、NIV-オキシム化体を結合させ、NIV-DCC-カチオン化BSA結合体で3回免疫を行った。その結果、5匹中4匹でNIVに対する特異抗体を誘導できた。 今後、抗体価が上昇したマウスの脾臓細胞を用いて細胞融合を行い、NIVに対するモノクローナル抗体作製する予定である。また、NIV-DCC-カチオン化BSA結合体でNIV抗体の誘導の至適投与量などについて検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ニバレノールは当初予想したより抗原性が低く、ニバレノールに対するマウスの抗体価の上昇させるのには、キャリア蛋白質の選択が必要であった。これにより予想以上に免疫に時間がかかった。 しかし、現在カチオン化BSAをキャリア蛋白質として用いることで、ニバレノールに対する抗体価が効率的に上昇することが分かったので、約6が月遅れでバレノールに対するモノクローナル抗体が作製可能であると予想される。今後、効率的に実験を進めれば期間内で目的に到達できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、NIVに対して抗体価が上昇したマウスの脾臓細胞を用いて細胞融合を行い、NIVに対するモノクローナル抗体作製する予定である。また、1回目の細胞融合で良い抗体が取れなかったっ場合のに備えて、平行してNIV-DCC-カチオン化BSA結合体でNIV抗体の誘導の至適投与量や免疫器官などについて検討を行う予定である。
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