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2020 年度 実績報告書

妊娠期フルクトース摂取が次世代の卵巣機能に及ぼす影響とそのメカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K05493
研究機関藤田医科大学

研究代表者

宗綱 栄二  藤田医科大学, 医学部, 助教 (30600431)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードフルクトース / DOHaD
研究実績の概要

フルクトースは清涼飲料水等に利用され、誰もが日常的に摂取する天然甘味料である。ヒトにおいてフルクトース過剰摂取は不妊の原因となる卵巣機能障害(多嚢胞性卵巣症候群)を引き起す可能性が指摘され、その摂取と生殖機能低下との関連が示唆されている。
近年「健康や疾患の素因は胎児期における環境要因によって形成される」という概念を表すDOHaD(Developmental Origin of Health & Disease)説が提唱されている。DOHaD説によると、胎児期の栄養環境は生活習慣病などのリスク要因に成り得る。過剰摂取された母体のフルクトースは胎盤を通じて仔へ配給されるため、胎仔が過剰のフルクトースに暴露された場合、疾患の素因が形成され、出生後の発症リスクが高まると考えた。特に、卵巣は胎児期から出生期にわたり活発に活動・成長することが知られており、その時期の発達は母体栄養に依存している。これらのことより、妊娠期の過剰なフルクトース暴露は、仔の正常な卵巣の発育・成長に影響を及ぼすことが予想される。本研究はDOHaD説に基づいて、「母体のフルクトース過剰摂取」が環境要因として出生後の卵巣機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。
フルクトースを摂取した母獣の仔は、StARとP450(17α)のmRNAレベルが低下し、タンパク質の発現も低下した。逆に、P450aromのタンパク質レベルは、mRNAの発現変化がないにもかかわらず、低下していた。これらの現象と一致して、エストラジオールの循環レベルの低下が観察された。さらに、エストロゲン受容体α(ERα)のタンパク質レベルも低下していた。また、ERαの転写標的であるプロゲステロン受容体のmRNAも減少していた。これらの結果は、母親の果糖が次世代の卵巣機能障害を惹起することを示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Maternal fructose consumption down-regulates Lxra expression via miR-206-mediated regulation2020

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Mirai、Munetsuna Eiji、Yamada Hiroya、Ando Yoshitaka、Mizuno Genki、Fujii Ryosuke、Nouchi Yuki、Kageyama Itsuki、Teshigawara Atsushi、Ishikawa Hiroaki、Suzuki Koji、Shimono Yohei、Hashimoto Shuji、Ohashi Koji
    • 雑誌名

      The Journal of Nutritional Biochemistry

      巻: 82 ページ: 108386~108386

    • DOI

      10.1016/j.jnutbio.2020.108386

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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