新生児は生後2ヶ月から様々なワクチン接種を受ける。ワクチン接種は感染予防おいて重要な役割を果たすが、同時に、新生児の未熟な免疫系の負担となる。本研究では、乳幼児の罹患率が非常に高いロタウイルス下痢症に対して牛乳成分(ラクトフォリン)の感染阻害効果と阻害メカニズムを検証している。この検証は、ウイルス感染を宿主細胞の恒常性破綻ととらえると、乳成分を用いた細胞恒常性の維持機能の解明とも言える。本研究で得られる知見は、調製粉乳・乳幼児ケア食品への乳素材の添加、ウイルスの複製阻害方法の開発、乳素材による細胞恒常性の強化などへの応用が期待できる。
|