妊娠期から授乳期間を通じて母ラットに高脂肪食を給餌することで母ラットを高血糖状態とし、新生子ラットも離乳時から成育後まで高血糖が持続するモデルを作成した。8週齢で実施した経口耐糖能試験では、高脂肪食群の高血糖は3時間後まで持続したが、ウシラクトフェリン (bLf)を授乳期に投与した群では改善傾向を示した。また、bLf投与によって膵島サイズは顕著に増大し、主にβ細胞数が増加していた。膵臓のGIP受容体およびGLP-1受容体発現はbLf投与によって促進されていたことから、bLfはインクレチンの応答を改善することで膵臓からのインスリン放出を維持し、糖代謝を改善することが示唆された。
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