現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り葉酸過剰飼料あるいは葉酸欠乏飼料で一定期間飼育したマウスにおいてサンプルをマイクロアレイ(Filgen Array, Filgen, Inc)による網羅的遺伝子発現解析に供した結果、葉酸過剰摂取条件飼育によって 2倍 以上発現上昇する6個の遺伝子、2倍以上発現低下する2個の遺伝子が見いだされた。これらの中には発現上昇する遺伝子としてimmunoglobulin joining chainなど免疫系に関連の深い因子も含まれていた。一方、葉酸欠乏条件では2倍以上発現上昇する遺伝子として30個、2倍以上発現低下する遺伝子として3個が見いだされた。葉酸欠乏条件においては、2 倍以上変動する遺伝子としてlymphocyte antigen 96 やinducible T cell co-stimulatorなど欠乏条件においても免疫系に関連の深い因子が複数含まれた。以上の結果から葉酸摂取量が免疫システムの制御に影響を及ぼす可能性が考えられた。2020年度は、葉酸過剰摂取、あるいは欠乏により遺伝子発現変動を確認した各因子についての先行研究の調査を実施し、さらに各因子のmRNAとタンパク質発現についてin vitro および in vivo試験により確認を進める予定である。
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