研究課題/領域番号 |
18K05547
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
兼森 芳紀 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40529088)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マウス / 精子 / 先体 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
哺乳動物では、遺伝子変異や環境ストレスなどにより頭部が複数のタイプに変形した精子(多形化精子)が産生されることがある。正常精子と形態が異なる多形化精子は、卵子との受精率が著しく低いため、不妊治療の現場で大きな障害となっている。令和2年度は、精子多形化に関わる遺伝子ACRBPに着目し、以下のことを解析した。 精子多形化の分子メカニズム解析 ACRBPにはグルタミン(E)とグルタミン酸(Q)に富んだ領域(EQ-rich ドメイン)が存在するが、精子多形化との関わりについては不明である。Crispr/Cas9システムを利用してEQ-richドメインの欠損マウスの作製を試みた。EQ-richドメインの27アミノ酸を効果的かつ正確に除去するため、ssODN(一本鎖オリゴヌクレ オチド)を設計し、ドナーDNAとしてCrispr/Cas9とともに受精卵へ導入した。導入した受精卵のゲノムをシーケンシング解析したところ、1/8の割合でEQ-rich ドメインが欠失していることが確認された。この手法により、Crispr/Cas9システムによって特定のアミノ酸部位を除去することに成功した。EQ-richドメインを欠損させたマウスを解析した結果、野生型マウスとの大きな違いはなかった。すなわち、EQ-richドメインはACRBPの機能には関与していないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム編集技術を用いて目的のマウスを作製できた。特定のアミノ酸部位を欠損させることに成功したことは、分野の発展のために価値があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
EQ-richドメインではなく、他の部位を標的としたゲノム編集マウスの作製と解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
作成したマウスの解析に時間を要している。論文投稿費用が必要である。
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