乾燥ストレスに応答して生合成される植物ホルモンであるアブシジン酸は、気孔の閉口を誘導する。アブシジン酸が孔辺細胞内で誘導する気孔閉口シグナル伝達では、細胞質カルシウムイオンがセカンドメッセンジャーとして機能することが古くから知られているが、その分子機構の詳細は不明である。本研究では申請者が同定したアブシジン酸誘導気孔閉口にかかわる2種の新規カルシウムイオン輸送体候補因子の機能解析を行った。これらカルシウムイオン輸送体が、孔辺細胞細胞質のカルシウムイオン濃度上昇の調節と気孔開度の制御にかかわる機構の一部を明らかにした。
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