研究課題
基盤研究(C)
日本人の主食であるイネは2倍体の植物である。一方、コルヒチン等の化学物質の処理により、染色体の数を倍に増やした4倍体のイネを作ることが可能である。この研究では、将来的に4倍体のイネを品種改良に利用することを目的として、遺伝的多様性の幅を広げるための研究を行った。4倍体では、2倍体と比べて、雑種を作った際の種子稔性が向上することが示唆されていたが、本研究では、4倍体雑種における種子低稔性以外の栄養成長期の発育異常が見いだされ、新たな育種障壁となることが考えられた。
遺伝育種学
将来にわたり、食糧の安定的な供給を維持するためには、イネの品種改良、特に利用可能なイネ遺伝資源の開発が欠かせない。本研究ではこれまでにほとんど利用されていない、イネの4倍体を利用して、品種改良に役立てるための基礎研究を行った。その結果、4倍体イネの雑種では、栄養成長期の発育異常が生じるものもあり、この異常の克服が今後の4倍体イネ利用において重要であることがわかった。