研究課題/領域番号 |
18K05566
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
大西 一光 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (50526704)
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研究分担者 |
三浦 秀穂 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10173981)
加藤 鎌司 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (40161096)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コムギ / 出穂 / QTL |
研究実績の概要 |
コムギ7B染色体短腕のVRN-B3座を含む領域に、Chinese Springの持つアレルと比較して早生アレル(QHt-7B-Zen: ゼンコウジコムギ由来)と晩生アレル(QHt-7B-Ru: スペルトコムギ系統st. Rumania由来)を持つ出穂性QTLを同定した。これらのアレルを用いることで出穂を3~4日早生化または晩生化することが可能である。本研究ではこれら二つのQTLに着目して、コムギ出穂期のFine-tuning の育種基盤を確立することを目的とする。 本年度は、QTL領域にマーカーの作出を進め、QHt-7B-Zen とQHt-7B-Ru についてBC6F2から得られた組換え体を用い候補領域の更なる絞り込みを進めた。QHt-7B-Zen とQHt-7B-Ruのマッピングに利用可能なマーカーをそれぞれ8個ずつ作出でき、両QTLとも候補領域を約9Mbpの領域に狭めることができた。またQHt-7B-Ruについて、作出したマーカーを利用して約900個体の分離集団から新たな組換え体の選抜を進めた。さらにゼンコウジコムギとst. Rumaniaについて、候補遺伝子の一つであるTaFT遺伝子のプロモーター領域約4.8kbの配列を比較した。 CS(QHt-7B-Zen) とCS(QHt-7B-Ru)、およびHopeの7B染色体(Vrn-B3)を持つCS(Hope7B)について長日(16時間日長)条件および春化後長日条件下で出穂日を比較した。両条件ともすべての系統間で数日の出穂日の違いが見られたことから、QHt-7B-ZenとQHt-7B-Ruは純粋早晩性の効果を持つことが示唆された。北海道春播きコムギ品種「はるきらり」を背景とするNILsの育成を目的として、CSを含む4種のNILs(染色体置換系統)から7B染色体短腕領域の戻し交雑による導入を進め、今年度はB6の交雑を終えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マーカー作出が進んだため、候補領域の絞り込みと大規模分離集団からの組換え体の選抜を行うことができた。発現解析は行えなかったが、代わりに候補遺伝子の一つであるTaFT遺伝子のプロモーター領域約4.8kbの配列を決定した。
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今後の研究の推進方策 |
QTL領域内のマーカーの作出を引き続き進め、これまで得られている組換え体を用いてQHt-7B-Zen とQHt-7B-Ruの候補領域のさらなる絞り込みを進める。可能な限り候補領域の絞り込んだ後に、組換え個体選抜のための分離集団の規模を拡大する。CS、CS(Hope7B)、CS(QHt-7B-Zen)およびCS(QHt-7B-Ru)を、人工気象室内の長日(16時間日長)条件および春化後長日条件下で栽培し、候補遺伝子の一つであるTaFT遺伝子の発現解析を進める。北海道春播きコムギ品種「はるきらり」を背景とするNILsの育成のため来年度中にB6F2個体からホモ型個体を選抜し、NILsとして確立する。
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