研究実績の概要 |
本研究課題はアサガオの到花日数QTL qIF1の単離と到花日数で最も効果の高かったqIF3の候補と考えられる InCOのスプライシングパターンが日長条件でどのように変化するのか、また、そのパターンと開花誘導にどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としている。 まず、qIF1のマッピングのためにBC3F2の自殖種子のなかからqIF2とqIF3がTKS染色体を持ち、qIF1がTKSとQ65のヘテロ接合である個体を1個体選抜した。選抜された個体を栽培して種子を50個収穫した。また、InCOのタンパク質レベルでの発現を調査するためにInCOの抗体を作製したので、今後調査を進めたい。 これまでアサガオのVioletに放射線10Gy, 20Gy, 40Gy, 80Gy, 160Gyを照射して稔性の調査を行ったところ、80Gyまでは稔性の低下は見られず、160Gyで不稔の個体が一定程度現れた。そこでアフリカ系統Q63の種子3000個に突然変異処理を行った。冬期に400個体まで栽培し、M2種子を得たので2020年5月20日より栽培し開花に関する変異体を取得する予定である。 一方、研究分担者の小野氏は、ゲノム編集によってInCOのヌル変異体をVioletで、co-1とco-2の2系統、 Africaでco-3, co-4の2系統作出した。4系統は、いずれも芽生えを用いた1回の短日処理に対する反応性に変化は見られなかった。一方、屋外の特定網室、室内の栽培室で栽培した場合、Violetの2系統はWild typeと違いが見られなかったが、Africa背景の2系統 co-3, co-4は、早く花成が起きた。また、Violet背景であるco-1, co-2に、Violetの完全なInCOのタンパク質をコードするcDNAを35Sプロモーターでoxをさせたが、芽生えを用いた1回の短日処理に対する反応性は、変わらなかった。
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