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2019 年度 実施状況報告書

アサガオをモデルとした短日植物の日長による開花誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05569
研究機関茨城大学

研究代表者

久保山 勉  茨城大学, 農学部, 教授 (10260506)

研究分担者 小野 道之  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50201405)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアサガオ / 光周性 / 花成 / InCO / QTL
研究実績の概要

本研究課題はアサガオの到花日数QTL qIF1の単離と到花日数で最も効果の高かったqIF3の候補と考えられる InCOのスプライシングパターンが日長条件でどのように変化するのか、また、そのパターンと開花誘導にどのような関係があるのかを明らかにすることを目的としている。
まず、qIF1のマッピングのためにBC3F2の自殖種子のなかからqIF2とqIF3がTKS染色体を持ち、qIF1がTKSとQ65のヘテロ接合である個体を1個体選抜した。選抜された個体を栽培して種子を50個収穫した。また、InCOのタンパク質レベルでの発現を調査するためにInCOの抗体を作製したので、今後調査を進めたい。
これまでアサガオのVioletに放射線10Gy, 20Gy, 40Gy, 80Gy, 160Gyを照射して稔性の調査を行ったところ、80Gyまでは稔性の低下は見られず、160Gyで不稔の個体が一定程度現れた。そこでアフリカ系統Q63の種子3000個に突然変異処理を行った。冬期に400個体まで栽培し、M2種子を得たので2020年5月20日より栽培し開花に関する変異体を取得する予定である。
一方、研究分担者の小野氏は、ゲノム編集によってInCOのヌル変異体をVioletで、co-1とco-2の2系統、 Africaでco-3, co-4の2系統作出した。4系統は、いずれも芽生えを用いた1回の短日処理に対する反応性に変化は見られなかった。一方、屋外の特定網室、室内の栽培室で栽培した場合、Violetの2系統はWild typeと違いが見られなかったが、Africa背景の2系統 co-3, co-4は、早く花成が起きた。また、Violet背景であるco-1, co-2に、Violetの完全なInCOのタンパク質をコードするcDNAを35Sプロモーターでoxをさせたが、芽生えを用いた1回の短日処理に対する反応性は、変わらなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

qIF1の単離のためfine mappingを予定していたが分離集団を得るための種子を50個しか得る事ができなかった。InCOの発現をTKS、Q65、Q63で調査する予定であったが、まだ調査が終了していない。

今後の研究の推進方策

qIF1については得られた種子数が少ないためFine mappingではないが今年度BC3F4世代を展開し、開花日とDNAマーカーの遺伝子型を用いて可能な限り候補領域を絞り込む。また、InCOの発現を転写産物の蓄積とタンパク質の蓄積を調査し、スプライシングバリアントの存在状況がタンパク質レベルの発現にどのように影響を与えているかを調査する。さらに、晩生のQ63にガンマー線による突然変異誘発を行ったM2世代を展開し、早生突然変異体の選抜を行う。
アフリカ系統でゲノム編集によって得られたInCO変異体では早生化について再現性を調査するとともに、FTやTFL1の発現が変化している可能性を検討するために、FTとTFL1の6遺伝子と、COの3遺伝子程度について、RT-qPCRを行う計画である。また、AfricaとVioletでは、InCOの配列に違いがあるため、VioletのInCOは、機能が無い可能性が考えられる。そのため、AfricaのInCOをVioltに形質転換することを計画している。

次年度使用額が生じた理由

抗体の作製に手間取り、抗体を用いた実験を実施することができなかったため若干の余剰金が生じた。今年度は昨年度できなかった実験も行い、余剰金と合わせて使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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