農業生産の高品質,安定供給を将来にわたって実現するためには生産性の持続的成長が必要である.本研究では,国内産オオムギ醸造品種の一穂粒数改変に向けた一穂粒数を制御する遺伝基盤を明らかにすることを目的とした. 「はるな二条」x「早木曽2号」の交配に由来する分離集団を使った一穂粒数のQTL解析の結果,醸造用品種の背景では微小な効果を持つ多数のQTLが集積して一穂粒数を増加させることが明らかになった. 一穂粒数の遺伝率は高く(0.80-0.81),国内産醸造品種「はるな二条」の一穂粒数の育種的な改変は可能であるが,従来型のピラミッド型育種に変わる育成手法の開発が必要である.
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