研究課題/領域番号 |
18K05582
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大山 暁男 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (10355612)
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研究分担者 |
松尾 哲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, チーム長 (20414675) [辞退]
諏訪部 圭太 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50451612)
加賀谷 安章 三重大学, 地域イノベーション推進機構, 准教授 (20335152)
宮武 宏治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 主任研究員 (70442754)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | トマト / 収量 / バイオマス |
研究実績の概要 |
申請者が独自に有する、収量QTL領域が分離したNILs2系統(多収性トマト品種由来のQTLアリルで固定した多収系統NIL-G、および普通品種由来のアリルで固定した対照系統NIL-M)を、農研機構(つくば)の高度環境制御型温室において栽培し、栽培初期の生長解析並びに継時的な収量構成要素解析を行った。その結果、NIL-Gの多収性が改めて確認された(生鮮果実収量および総乾物生産量のいずれも有意に大きい)。また、構成要素解析等により、収量増大メカニズム解明のための重大な生理学的知見が得られた。 QTL領域の組換えにより昨年度作出したCSSL2系統(AおよびBとする)から得られた種子をそれぞれ20~30粒播種し、発芽した実生を材料として遺伝子型がヘテロの領域に対しDNAマーカー選抜を実施した。多収性アリルで固定した系統(A由来の系統をAG、B由来の系統をBGとする)と普通品種のアリルで固定した系統(A由来の系統をAM、B由来の系統をBMとする)を複数個体選抜し、これらをつくばの高度環境制御型温室(植物工場)における養液栽培に供した。その結果、AGとAMではAGが、BGとBMについては、BGが多収となったことから、AGとBGが共通する領域に目的遺伝子が存在すると考えられた。以上のCSSL解析と、昨年度実施したRNA-seq、本年度NILsで解明された収量増大メカニズム、遺伝子アノテーション情報を総合し、候補遺伝子の絞り込みを行った。その結果、変異遺伝子1が、QTLの候補遺伝子と推測された。この遺伝子について、同様の変異を誘発しうるゲノム編集ベクターを構築し、シロイヌナズナおよびトマトへの形質転換を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NILsの解析(生長解析、構成要素解析)において、収量や他形質に有意差が見いだされたことが収量増メカニズム解明の糸口となった。また、CSSL解析が順調に行われたことにより、QTL領域を限定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更なし。形質転換による変異体の作成と、それらを用いた原因遺伝子の同定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が生じた理由は、消耗品購入時の差額によるものと考えられる。残額については、次年度の形質転換実験の消耗品購入等に用いる予定である。
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