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2018 年度 実施状況報告書

低酸素条件下における雑穀の冠根の酸素獲得機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05600
研究機関東海大学

研究代表者

松浦 朝奈  東海大学, 農学部, 准教授 (30299672)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードmillet / grain yield / hypoxic stress / aerenchyma
研究実績の概要

キビ(Panicum miliaceum), コルネ(Brachiaria ramosa), ヒエ(Echinochloa utilis ), サマイ(Panicum sumatrense), シコクビエ(Eleusine coracana )を水耕栽培し,播種後21~30日目に, 通気を停止する低酸素区と通気を続ける対照区を設け, 約2週間栽培した. 処理前後の植物体を採取し, 乾燥後に重量を測定して個体成長速度(Plant Growth Rate; PGR)を算出した. 処理終了時に冠根を採取し, 根端から10mmごとに横断切片を作成して通気組織, リグニンおよびスベリンの観察を行った.
対照区の溶存酸素濃度は,飽和溶存酸素濃度の40%以上であった.低酸素区の溶存酸素濃度は飽和溶存酸素濃度の0%に著しく減少し,栽培期間中の最大値は20%であった.コルネの低酸素区のPGRは通気区の57%に低下したことから,コルネは低酸素環境には弱いと考えられた.そのほかの雑穀ではPGRは低下しなかった.冠根の基部では,すべての雑穀でリグニンの蓄積が確認できた。コルネの根端から100mm,キビの根端から60mm,サマイの根端から30mmと60mmではスベリンの蓄積が確認できたが,処理間での蓄積の違いは見られなかった.根端から10mmと60mmおよび基部から10mmの冠根の通気組織を観察した.キビやコルネの根端10mmとシコクビエの根端30mmの低酸素区で通気組織が見られたが,対照区では見られなかった.一方サマイは処理に関わらず通気組織の発達はみられなかった。ヒエでは処理に関わらず,根端60mmで通気組織が観察された.以上のことから,コルネが低酸素ストレスに弱いのは,通気組織が発達しなかったことが主な要因であると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度には,「酸素モニタ-」(Firesting 酸素モニター:ビー・エー・エス株式会社製)を用いて,不定根内部の酸素濃度を測定条件を確立する予定であったが,作物の栽培期間中には納品されなかったため.

今後の研究の推進方策

昨年度に機器の納品日が対象とする作物の栽培時期から遅れたため,初年度に実施する予定であった根の酸素モニタ-測定システムの確立をそれ以外の実験と並行して実施することとする.

次年度使用額が生じた理由

物品の概算額と確定金額との差が積算されたものと考えられる

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Dehydration tolerance among four millet species was limited sink during severe water deficit2018

    • 著者名/発表者名
      Matsuura A. and P. An
    • 学会等名
      The 18th Asian Agricultural Symposium of Tokai University
    • 国際学会
  • [学会発表] Toward realization of agriculture that can respond to natural disasters and climate change2018

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, A. and M. Yamato
    • 学会等名
      The 18th Asian Agricultural Symposium of Tokai University
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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