これまで、ダイズの莢先熟は栽培環境や栽培年によってその発生状況は大きく異なることが明らかにされていたが、その原因については明らかにされていなかった。しかし、今回の研究によってその一因が生育後期の気温(特に、高温)であることが明らかにされた。また、生育後期に温度が高くなると地下部から地上部に輸送されるサイトカイニン量が多くなり、それによって地上部の老化が抑制されることで莢先熟の発生が助長されると考えられることも明らかにされた。また、温度条件に比べ、光条件が莢先熟の発生に与える影響は小さいことが明らかになった。以上から、莢先熟の発生を栽培学的に抑えるには生育後期の気温を低くすることが重要である。
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