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2019 年度 実施状況報告書

イネ科牧草に特有なオリゴ糖ロリオースの生合成経路及び代謝機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K05607
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

西本 完  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (30399381)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードLoliose / Lolium
研究実績の概要

ロリオース関連酵素の同定に関しては、前年度に調製したロリオース標品を生成物の指標として用いた解析を行うことで、イタリアンライグラス種子より抽出した粗酵素液中に存在する合成酵素を各種クロマトグラフィーによって最終精製を行った。現時点においては完全精製には至っていないが、精製度の高い酵素標品を得ることができた。また、ゲノム情報を指標として選抜した酵素遺伝子については、大腸菌による発現用ベクターの構築を行い、予定通りにプラスミドの取得に成功した。
ロリオースのライグラス内での動態については、昨年度前倒しで実施したロリオース含有量調査に基づき、極早生品種のイタリアンライグラスにおける種子形成期のロリオース含有量の経時変化について調査した。その結果、種子が登熟に近づくにつれてロリオース含量が徐々に増加することを見出し、ロリオースの合成に関する酵素遺伝子群が発現していることが示唆された。さらに、ロリオース代謝に関与すると思われる新たな酵素活性を種子抽出液中に見出すことに成功し、これまで不明であったロリオースの生合成・代謝経路の一部が明らかになった。今後、本酵素活性も含めた詳細な解析により、生合成・代謝経路の全容解明が期待できる。
昨年度中に完了したオリゴ糖標品の調製に関連して、ロリオースに由来する別のオリゴ糖についても、新たな調製法を開発し、1グラムの標品を得ることに成功した。これは想定外の成果ではあるが、これをもとに新たな機能性研究等への発展の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時に設定した研究項目すべてにおいて、おおむね計画通りに進んでいることから、研究の進捗は順調といえる。また、ロリオースに由来するオリゴ糖については、簡便な調製法の開発に目途が立ち、今後、機能性研究へと発展する公算が高い。さらに、令和元年度に得られたロリオースの動態に関する詳細なデータは、令和2年度に予定している別の研究項目の予備データとしての活用が可能であり、万全の態勢で研究を遂行できる。

今後の研究の推進方策

研究の進捗が順調であることから、当初の計画に沿って研究を推進する。特に、ロリオース蓄積状況については、試料を採取する頻度を増加し、多くの分析データを収集することで詳細な動態の解明につなげる。また、ロリオースの代謝に関与する酵素については、確認した酵素活性に対応した酵素の同定を進める。

次年度使用額が生じた理由

消耗品が安価に購入できたため、若干の次年度使用額が生じた。
当該使用額の使用計画としては、試料採取回数の頻度を増加し、データの精度向上につなげる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] イタリアンライグラス種子登熟期におけるロリオースの蓄積2020

    • 著者名/発表者名
      西本 完、清 多佳子、田村 健一
    • 学会等名
      2020年度日本草地学会静岡大会
  • [学会発表] Festuca-Lolium属特有のオリゴ糖「ロリオース」について2020

    • 著者名/発表者名
      西本 完
    • 学会等名
      2020年度日本草地学会静岡大会
  • [学会発表] 西本 完、北岡本光2019

    • 著者名/発表者名
      牧草由来オリゴ糖、ロリオースおよびロリオース二糖の調製
    • 学会等名
      2019年度第68回日本応用糖質科学会本大会

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公開日: 2021-01-27  

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