今年度は,RNAseqにより露芯花と正常花の遺伝子の網羅的な解析を行った。蕾はおおよそ1cmのものを半分にしてRNAを抽出した。葉は蕾のすぐ下についていた第1葉を除去した。サンプリング時間はおおよそ午前8時~9時に実施し,各区8サンプルずつを供試して比較した。 DvCYC2dは露芯花で発現が高い結果となった。また、DvCYC2cに発現量の差はなかった。これらの結果から; ・露芯花にも舌状花が含まれるため、そこでの発現が高く検出されてしまい、筒状花の発現傾向がかき消された。 ・これまでの報告者がリアルタイムRT-PCRに使用していた配列部分が、今回RNA-seqで検出した配列部分と異なっており、どちらかが上手く定量できていない可能性,すなわち,例えば、露芯花の筒状花では、3'末端側だけの不活な2dのmRNAが多量にできていて、リアルタイムRT-PCRではその部分を増幅しなかったため引っ掛からなかったなどが可能性として考えられる。 今後は,リアルタイム用のプライマーを組み直し,遺伝子の発現量の再定量が必要と考える。
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