研究課題/領域番号 |
18K05630
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
中川 理絵 (菊地理絵) 神奈川大学, 工学部, 准教授 (70620227)
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研究分担者 |
岡本 専太郎 神奈川大学, 工学部, 教授 (00201989)
嶋田 幸久 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (30300875)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オーキシン |
研究実績の概要 |
前年度、KOK2052BP処理によって観察された花成の早まりと葉の形態変化がオーキシン内生量の減少によって起こることを明らかにした。 当該年度は、KOK2052BPによって誘導される花成経路の一端を明らかにする目的のもと実験を行った。KOK2052BP処理個体とコントロール個体の子葉における花成関連遺伝子をスクリーニングした結果、シロイヌナズナ等で花成を促進する遺伝子のいくつかと、抑制する遺伝子のいくつかの相同遺伝子が候補として見つかった。それらの遺伝子について、KOK2052BP処理時間を0時間として4時間おき3日間のサンプリングを行い、経時的な発現変動を解析した。その結果、花成促進遺伝子はコントロール個体と比較して有意な発現変動がみられなかった。一方で、花成抑制遺伝子の一つがコントロール個体と比較して発現が有意に減少する時間帯があることがわかった。この遺伝子の発現がオーキシンに制御されるかどうかを詳細に調べるために以下を調査した。すなわち、KOK2052BP単独処理区、KOK2052BPにIAA 50 μMを加えた共処理区、KOK2052BPにIAA 100 μMを加えた共処理区、IAA単独処理区とコントロール処理区である。これらの結果、KOK2052BP単独処理によって減少した遺伝子発現量が、IAA処理濃度依存的に回復することが明らかとなった。 以上の結果によって、トマトの花成経路の一つにオーキシンによって制御される経路が存在し、その下流に花成抑制遺伝子の一つが位置していることを明らかにした。一方で、さらなる新たな化合物の合成も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成した化合物について、トマトを用いたスクリーニングの実験系を検討中であり、処理するまでには至らなかった。シロイヌナズナを用いたスクリーニングは終了した。
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今後の研究の推進方策 |
トマトを用いた化合物のスクリーニングのための実験系を確立するとともに、KOK2052BPの作用機序を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実行できなかった研究を次年度に行うため、物品購入費として次年度使用額が生じた。
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