研究課題/領域番号 |
18K05633
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
本城 正憲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 主任研究員 (40401195)
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研究分担者 |
黒倉 健 宇都宮大学, 農学部, 講師 (10650898)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 栽培イチゴ / 8倍体 / 季性 / 四季成り性 |
研究実績の概要 |
一季成り性や四季成り性といった「季性」は、適応度や繁殖戦略と密接に関わり、農業上も極めて重要な形質である。栽培イチゴにも四季成り性が知られているが、栽培イチゴは8倍体であるためゲノム解析が難しく、どのような遺伝子により支配されているのかは明らかになっていない。申請者らは、近年、四季成り性遺伝子周辺に構造変異が生じたために一季成り状態になったと考えられる栽培イチゴの変異株を発見した。本研究では、四季成り性遺伝子周辺以外は同じバックグラウンドをもつと推定される正常株と変異株の交雑F2集団を材料として、正常株だけがもつ塩基配列を特定することで、季性というダイナミックな生活史の変化をもたらしている遺伝子を明らかにすることを目的としている。本年は、実施計画に基づき、正常株と変異株の交配により得たF1個体について、自然日長下での季性判定を行うとともに、これまでに開発した四季成り性連鎖マーカーを用いて、四季成り性遺伝子型を明らかにした。正常株と変異株を交配すると、四季成り性遺伝子座について4つの遺伝子型が出現するが、上記の分析結果に基づき、F2集団を育成するための交配母本として、四季成り性遺伝子型がex(正常四季成り性遺伝子と変異遺伝子のヘテロ型)およびej(正常四季成り性遺伝子と正常一季成り性遺伝子のヘテロ型)を示すF1個体を選定した。それぞれの個体について自家交配を行い、自殖種子を得た。得られた種子を播き、F2集団を育成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、表現型および四季成り性連鎖DNAマーカー分析に基づいてF1個体の季性判定および四季成り性遺伝子型判定を実施し、その結果に基づく交配母本の選定、ならびに自殖種子の採種、播種、F2集団の育成を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
F2個体の季性を自然日長下で判定する。F2個体、親のF1個体、F1の両親2個体を含む個体について、次世代シーケンサーを用いて塩基配列を取得し、季性データを用いたQTL解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額433円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度の研究費と合わせて、研究計画遂行のために使用する。
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