我々は、病害抵抗性誘導剤で処理したカルスから植物を再生させることにより、イネのエピジェネティック変異を方向付ける方法を開発した。本研究では、この方法によって付与された抵抗性がエピジェネティック変異に起因することを証明するとともに、その遺伝的な安定性と実用性を実証することを目的に実験を行った。日本晴および各系統のメチル化状態を解析した結果、抵抗性獲得系統は特有のメチル化変化を獲得していることが明らかになった。この結果をRNA-seqの結果と比較したところ、プロモーター領域のメチル化と遺伝子の発現が相関する3つの遺伝子が特定された。以上の成果を根拠として、本法による植物作出方法を国際特許出願した。
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