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2018 年度 実施状況報告書

サツマイモネコブセンチュウのレース判別用DNAマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K05663
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

田淵 宏朗  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (10355571)

研究分担者 浅水 恵理香  龍谷大学, 農学部, 准教授 (00370924)
上杉 謙太  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (00414798)
鈴木 崇之  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (20414823)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードサツマイモネコブセンチュウ / レース / DNAマーカー
研究実績の概要

サツマイモに大きな被害を与えるサツマイモネコブセンチュウ(以下線虫と略)は、10種類のレースとそれらに対する抵抗性品種が報告されており、植物が線虫を異物と認識し、線虫がそれを回避するためにレースが分化する分子機構の解明のモデルケースとなり得る。レース分化に関与する線虫のゲノム領域を同定する一手段として、大規模なゲノム多型解析とレース判別を行い、レース特異的な多型部位を絞り込んでいく方法がある。技術発展により大規模多型解析は可能となったが、レース判別は既存の接種法では膨大な時間と労力がかかり、研究推進の妨げとなっている。そこで本研究課題では、数十程度の線虫系統のゲノム塩基配列情報を解析し、レースの差異を決定する遺伝子そのものでは無くても、レース特異的な多型を示すようなゲノム部位を探索することにより、簡易にレース判別用が可能なDNAマーカーの作成を目指す。
2018年度は主に解析材料となる新規の線虫系統の確立を進め、準備が整った系統については接種法によるレース判別を開始した。具体的には、主要なサツマイモ生産地である九州や関東の15個所以上の畑作圃場からサンプリングした土壌で線虫感受性トマトなどを栽培し、根に着生した卵のうを個別に回収して継代増殖することで、50以上の単卵のう分離系統を得た。これらの系統は順次、レース判別用のサツマイモ6品種に接種し抵抗性/感受性反応を調査し、現在までに25系統のレースを決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

接種法によるレース判別に想定以上に時間がかかったため、2018年度に行う予定であった「レースが分かった新規系統」を対象とした次世代シーケンサー(NGS)による全ゲノム塩基配列情報取得ができなかった。
一方で、新規の線虫系統の確立は順調に進んでおり、準備が整った系統について接種法によるレース判別を進めている。ただし、同一圃場からサンプリングした複数の線虫系統が全て同じレース反応を示した場合もあったため、1圃場からのサンプリング数を増やすより、サンプリングする圃場数を増加させる方が良いことが分かってきた。
また、既存系統のDNA多型部位の分析も進めており、NGSによる解析を1系統増やせばレース特異的なDNA多型部位の候補数をどれくらいの割合で絞り込めるかが明らかとなりつつある。これにより、レース判別用DNAマーカーを作成するために、1レースあたりどれくらいの系統数が必要かの目安が算出されることが期待される。

今後の研究の推進方策

1.本年度の反省を踏まえ、レースが不明の新規線虫系統についてもNGSの対象とし、多型解析とレース判別を同時に行っていく。
2.接種法によるレース判別に本年度よりもエフォートをさく必要がある。
3.引き続き新規線虫系統確立を行うが、サンプリングする地域や圃場数を増やす方向で進める。
4.既存および新規の線虫系統がどのレースに属しているかは偏りがあるため、系統数が多く特異的なDNA多型数の絞り込みがある程度進んだレースについては、それらを利用したプライマーを設計し、レース判別用DNAマーカーの候補の検証を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

想定より新規線虫系統の確立とレース判別が進まなかったため、2018年度で予定していた次世代シーケンサー解析委託を行わず、2019年度に行うことになったため、その経費が次年度使用額となった。

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公開日: 2019-12-27  

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