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2018 年度 実施状況報告書

いもち病菌の病原力因子Rbf1の分子機能解明を目指した標的因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18K05664
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

西澤 洋子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (40355756)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードイネ / いもち病 / 病原性 / 感染機構
研究実績の概要

イネいもち病菌の病原力遺伝子RBF1をイネに導入したが、転写レベルでは高発現していたものの、タンパク質は検出限界以下であった。そこで、Rbf1タンパク質をイネに蓄積させるために、まず、コドン使用頻度をイネ用に改変した人工遺伝子OsRBF1を合成した。また、翻訳効率を高めるために、翻訳エンハンサーであるイネアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子の5’非翻訳領域と、シロイヌナズナのヒートショックタンパク質遺伝子のターミネーターでOsRBF1をはさみ、トウモロコシのユビキチンプロモーターの下流に連結したバイナリーベクターを構築した。過剰発現による生育不良などの弊害が起こる可能性を考慮し、CaMV 35Sプロモーターを利用したバージョンも構築した(以上、Rbf1-Exo系統用ベクター)。イネで確実に細胞外に分泌させるために、イネのキチナーゼ遺伝子Cht-2のシグナル配列領域を合成し、OsRBF1のシグナル配列領域と置換した。同時に、Rbf1タンパク質を細胞質で発現するイネ(Rbf1-Cyt系統)を作製するために、OsRBF1の分泌シグナル配列を除いた翻訳領域を持つバイナリーベクターを同様に構築した。
次に、上記2種のバイナリーベクターをアグロバクテリウム法でイネ(品種:日本晴)に導入し、再分化植物体におけるOsRBF1の転写量を定量RT-PCR法で解析し、高発現系統10種、ならびにコントロールとして低発現系統1種を選抜した。それらを隔離温室で栽培し、次世代種子を収穫した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イネ由来のシグナル配列を利用したバイナリーベクターの構築は完了していないが、その他は計画通り進行した。

今後の研究の推進方策

前年度作製したOsRBF1遺伝子導入イネについて、抗HA抗体を用いてウェスタン解析を行い、高発現系統の次世代種子を得る。得られた系統について、葉鞘および桿を用いてタンパク質画分を調製し、Rbf1タンパク質の蓄積部位を確認する。その後、Δrbf1株を接種し、病原性やBIC形成を詳細に評価する。
いずれのイネ系統においてもΔrbf1の表現型が相補されなかった場合は、野生型いもち病菌やエリシターを用いて、OsRBF1導入イネの病害抵抗性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品類が当初計画より安価に調達できたため。また、今年度予定していた組換えイネ作製のうち1系統が次年度に繰り越されたため、その分の人件費が次年度使用額となった。

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公開日: 2019-12-27  

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