研究課題/領域番号 |
18K05670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
島田 裕子 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (30722699)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 内部寄生蜂 / ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析 / 質量分析 / 陰イオン交換クロマトグラフィー / ショウジョウバエ / RNAi / 寄生 |
研究成果の概要 |
本研究は、内部寄生蜂ニホンアソバラコマユバチが産生する毒成分が、宿主ショウジョウバエ幼虫体内で引き起こす細胞死に着目し、寄生の分子機構を解明することを目指した。まず、クロマトグラフィーと質量分析によって、毒腺抽出液中のタンパク質成分を網羅的に同定した。次に、ゲノム解析とRNAseq 解析によって、毒腺で高発現する遺伝子を同定した。その結果、毒腺に存在する遺伝子産物約200個を同定した。また、寄生蜂遺伝子の機能解析を行う目的で、寄生蜂でのRNA干渉法を構築した。昆虫の体色決定遺伝子を標的とするRNAを注入したところ、寄生蜂の体色が変化したことから、RNA 干渉に成功したことが強く示唆された。
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自由記述の分野 |
発生生物学、分子遺伝学、昆虫科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上で最も繁栄している昆虫類において、寄生蜂の種数は、昆虫全体の20%を占めると推定されている。この種数の多さは、様々な宿主に対する寄生戦略の多様性と有効性を反映しているといって過言ではない。そして、その寄生成立の鍵となるのが、多種多様な毒成分の進化である。しかし、その大部分は未知である。そのような中、本研究は、ニホンアソバラコマユバチのゲノム解析とトランスクリプトーム解析により、寄生蜂の毒遺伝子候補を同定した。また、RNAi 法の構築により、遺伝学的手法による毒遺伝子の機能解析を可能とした。新たな毒成分の発見は、既知の生物毒と同様に、医学的応用や農薬開発のシーズとして強く期待される。
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