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2021 年度 実績報告書

広食性昆虫(ハスモンヨトウ)の味覚受容システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K05677
研究機関佐賀大学

研究代表者

龍田 勝輔  佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教 (00565690)

研究分担者 永野 幸生  佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (00263038)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード広食性昆虫 / 味覚 / 塩受容 / 摂食行動
研究実績の概要

広食性のハスモンヨトウ幼虫は花卉・蔬菜類の農作物を加害する重要害虫であるにも関わらず、その摂食行動を制御する味覚・嗅覚等の化学情報受容メカニズムは未解明である。
本研究は本種の味覚受容解明を目的としており、これまでに摂食行動実験により基礎的な味覚受容を推定した結果、本種幼虫は他種昆虫とは異なる塩受容システムを持つことが示唆された。
本申請採用後に、摂食行動実験に加えて電気生理実験による塩受容解明を行った結果、本種幼虫口器に局在する主要3種(MP: maxillary palp, Ss-1: sensilla styloconica1, Ss:2: sensilla styloconica2)の味覚感覚子のうちMPが最も応答感度が高く、低濃度塩による摂食行動抑制に寄与していると示唆された。加えて、3種の感覚子とも水・糖・塩・苦味物質対する応答には差がないものの、その応答能(活動電位発生数)には差異が認められたため、摂食行動において異なる役割を持つことが予想された。そこで、MPのみを切除した幼虫を用いて糖・塩・苦味物質を対象とした摂食実験を行った結果、MP切除幼虫は未切除個体に比べて塩含有餌の摂食量増加を示した。これらの結果により、本種幼虫の摂食行動において、MPによる塩受容シグナルが行動制御に影響し、糖・苦味物質・水受容はSs-1, 2もしくは3種感覚子の受容シグナルが影響すると考えられた。
加えて、電気生理実験により本種幼虫はこれまで昆虫味覚電気生理実験にて確認された先行研究結果と比較しても、水に対しての高い応答能を示した。本種幼虫口器より得られた高い水受容シグナルが行動および生理にもたらす影響は不明であるが、今後の興味深い課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 塩による広食性農業害虫の摂食抑制効果2021

    • 著者名/発表者名
      南川華衣・大塚悠河・龍田勝輔
    • 学会等名
      第55回日本味と匂学会
  • [学会発表] 電気生理学的手法を用いた広食性農業害虫「ハスモンヨトウ」の味覚受容解析2021

    • 著者名/発表者名
      南川華衣・大塚悠河・糸山優・龍田勝輔
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会

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公開日: 2022-12-28  

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