今後の研究の推進方策 |
ROSA26遺伝子座のセーフハーバー領域にトレハローストランスポーター遺伝子をノックインしたマウス(ROSA26-CTIG-KIマウス)の遺伝子解析を行う。即ち、ROSA26遺伝子座のセーフハーバー領域からCTIGをまたぐようなプライマーセット及びCTIG内での複数のプライマーセットを設定し、PCRにより増幅されたPCR productsを得る。これらのproductsについてシークエンス解析を行い、ROSA26遺伝子座セーフハーバー領域の目的のサイトにドナーベクターがインタクトな形で挿入されていることを確認する。CTIGの挿入が確認されたノックインマウスについて、繁殖を行い、子孫を得た後、得られた子孫のマウス由来初期胚(1-細胞期卵、2-細胞期胚、8-細胞期胚、桑実期胚、胚盤胞)について種々の保存液(トレハロース、エピカテキン、アスコルビン酸を種々の濃度で含むPB1, M2, Tris-EGTAあるいはmCZB-hepes)を用いて真空乾燥・常温保存を試み、復水後の生存性をトリパンブルー染色により透明帯及び細胞膜の損傷を確認する。なお、保存胚の復水に蒸留水、PB1, M2, Tris-EGTA及びmCZB-hepesを用いることにより、その後の胚の生存性を確認する。また、生存が認められた初期胚について卵管移植あるいは子宮内移植を試み、正常な産仔への発生を確認する。 一方、各ステージのマウス初期胚(体外受精由来)について、前述した種々の保存液に初期胚を浸漬した後、エレクトロポレーションを行った後、真空乾燥・常温保存を行い、復水後の生存性及び移植後の正常産仔への発生を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 物品費として、マイクロチューブ、チップ、カルチャーディッシュ、インジェクションピペット、ホールディングピペット、胚操作用ピペット、試薬(トレハロース、エピカテキン、アスコルビン酸、Tris-EDTA、ローダミンデキストラン、Cas9蛋白質)、培養液・緩衝液(CARD medium, Fertiup, Modified Whittin's medium, PB1, M2, mCZB-hepes)、sgRNA・ドナーベクターの合成・構築及び動物代(マウス)に支出したが、ノックインマウス作製に長時間を要したため、実験が予定通り遂行できなかった。 (使用計画) 物品費は、マウス飼育料、マイクロチューブ、チップ、カルチャーディッシュ、試薬(トレハロース、エピカテキン、アスコルビン酸、Tris-EDTA、ローダミンデキストラン、流動パラフィン、性腺刺激ホルモン、PCRキット等)、培養液・緩衝液(CARD medium, Fertiup, Modified Whittin's medium, PB1, M2, mCZB-hepes、エレクトロポレーション用緩衝液)、動物代(マウス)などの購入に充てる。また、得られた研究成果は、日本実験動物学会等に発表する予定であるが、その旅費に充てる。
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