研究課題
トレハローストランスポーター遺伝子をマウスのRosa26遺伝子座に挿入したノックインマウス(Rosa26-CTIG-KIマウス)を作製し、当該マウス由来の各ステージの初期胚(1-細胞期卵、2-細胞期胚、8-細胞期胚、桑実期胚、胚盤胞)を用いて種々の条件下で、真空乾燥・室温保存を行い、復水後の胚の生存性を確認した。その結果、0.1Mトレハロースを含むTris-EGTAに桑実期胚を浸漬し、室温下で、6時間保存した場合で、最も生存性が高く、30%程度が胚盤胞へ発生した。その他の、発生ステージの胚では、同様な条件下では、生存胚が得られなかった。また、24時間の室温保存では、各条件及び各発生ステージ胚で、復水後、生存胚は得られなかった。なお、6時間の室温保存では、真空乾燥が不完全であり、液状で室温保存したため、生存胚が得られたものと思われる。そこで、液状保存での桑実期胚の生存性及び発生能を確認したところ、室温下では、最長で、2日間、PB1, M2, mCZB-hepes内で保存した場合、100%生存しており、その内、17~33%が胚盤胞へ発生することがわかった。一方、4℃下での低温保存では、PB1, M2及びmCZB-hepesで保存した桑実期胚で、2日間の保存で、17~67%生存していたが、M2でのみ胚盤胞への発生が認められた。電気穿孔によってトレハロースを含むTris-EGTAを細胞質内に取り込ませた初期胚(2-細胞期、8-細胞期胚、桑実期胚、胚盤胞)を真空乾燥させ、1日室温保存した後、復水させ胚の生存性を確認した。その結果、すべての発生ステージの胚で、生存は認められなかった。以上の結果から、初期胚の真空乾燥には、トレハロースの保護効果が認められないこと、及び液状保存では、桑実期胚で、比較的耐性があり、室温、低温共に2日の保存が限界であることがわかった。
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