研究課題/領域番号 |
18K05691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
多田 昇弘 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50338315)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マウス / 初期胚 / 真空乾燥 / 常温保存 / トレハロース / CRISPR/Cas9 / 電気穿孔法 / バイオリソース |
研究成果の概要 |
乾燥時に細胞に対して高い生体成分保護効果のあるトレハロースを細胞内に取り込むことができるトレハローストランスポーターを発現するノックイン(KI)マウスをゲノム編集で作製した。KIマウスの卵子及び初期胚を用いて種々の条件下で真空乾燥・常温保存を試みたが、復水後、生存は認められなかった。また、電気的穿孔法による初期胚へのトレハロースの細胞内への取り込みを試みたが、真空乾燥した初期胚では、保護効果は認められなかった。更に、1-細胞期卵の細胞質にトレハロースを顕微注入した後、2-細胞期胚に発生させ、これらの胚について種々の条件下で真空乾燥・常温保存を試みたが、復水後、生存胚は得られなかった。
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自由記述の分野 |
発生工学、実験動物学、資源保存学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵子、初期胚のような生殖機能細胞はいずれも、真空乾燥・常温保存の試みは成されているが、今だ成功していない。精子では成功しているので、その違いがどこにあるのか、核のみならず細胞質及び細胞膜の乾燥に対する耐性機構が明らかになるので、学術的な意義は大きい。また現在、生殖機能細胞の保存はすべて凍結保存であるが、本研究で真空乾燥・常温保存の有効性を明らかにできれば、遺伝資源の開発・保全に極めて有用な手段となり得る。特に、液体窒素中での凍結保存については、液体窒素を補充しなければならず、危険物なので宅配便等での輸送が制限される。しかし、常温保存であれば郵便などで容易に送ることができる。
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