植物園や植木生産業者を対象に、江戸時代以前に日本に導入されたバラ科栽培木本植物の残存状況の調査を行い、特に植栽年代の古い個体を探したが、そうした個体は発見できなかった。また、一部の樹種では、現在は殆ど苗木生産が行われなくなり、植物は残存していても遺伝的多様性が殆ど失われていると思われた。 植物標本調査では、故菊池秋雄博士が収集し現在にも伝わる果樹遺伝資源と関連するさく葉標本を京都大学総合博物館で発見し、その結果を報告した。また、宮崎県高鍋町で現在栽培個体だけが残存するリンゴ属のタカナベカイドウについて、関連する植物の国内外の多数の標本と比較した結果、野生絶滅した新種として記載発表した。
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