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2021 年度 実施状況報告書

植物方言と民俗利用、栽培生態特性から有用植物の伝播過程と保全法を探る

研究課題

研究課題/領域番号 18K05696
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

徳岡 良則  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (20442725)

研究分担者 岡 三徳  東京農業大学, その他部局等, 教授 (10354028)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード植物方言 / 境木 / 生垣 / 工芸作物 / 文化的景観 / 農業遺産
研究実績の概要

柑橘栽培の盛んな宇和海沿岸地域では、暴風や土壌侵食防止のために生垣を築くことが一般的だが、その生垣に利用する植物には在来種の木本ではスギ、イヌマキ、外来イネ科草本のベチベルソウなどの利用が知られる。このような生垣植物の利用・管理実態と柑橘生産に影響が危惧されるつる植物の分布傾向について、既存データの解析、評価を進めた。その結果、生垣は強度の刈り取りや柑橘園内の頻繁な除草の影響により地域のつる植物の保全への寄与が少ないこと、林縁や放棄初期の圃場でつる植物の多様性が高くなることが明らかとなった。また周辺森林の影響として隣接森林の林冠を構成する高木種が林縁に上部に位置する場合には、被陰の影響や林冠を利用する鳥類による植物種子の散布の影響もつる植物相の差異に寄与している可能性が考えられた。
愛媛県肱川沿い、高知県仁淀川沿いでそれぞれ調査を進めてきた主に畑地境界に植栽されている境木について、地域ごとに異なる樹種が地域の産業や習俗に根ざした多様な植栽経緯を背景として今日まで維持されてきたことが分かっていた。今年度ははより広い地域にも評価対象を広げ、東北、関東各地の境木の分布パターンと地域での伝統的に利用、管理に関する現地調査と文献調査に着手した。しかしながら新型コロナの蔓延に伴い現地調査の期間も限られたため次年度移行に残る地域の現地調査を延期した。調査データの収集後、対象地域での境木に見られる有用植物の伝播過程と保全法について考察を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

年度途中まで研究支援業務を継続していたことおよび新型コロナの蔓延に伴い、現地調査の機会や既存資料の分析、考察、論文の執筆等の時間確保が十分にできなかったため。

今後の研究の推進方策

現地調査の機会を可能な限り確保し、植物方言、植物の分布パターン、利用法を地域間比較して、境木や有用作物および樹木の植物方言にも研究対象を広げたい。既存資料類や現地調査データの分析を通じて、さらに研究手法の有効性を検証していきたい。

次年度使用額が生じた理由

調査出張や学会参加等の機会が十分に設けられなかったことがあげられる。これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画として、調査出張や学会参加の機会の確保やデータ取得機器、文献の購入費用を増やすことを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Diversity and distribution of climbing plants under different anthropogenic disturbance regimes in a forest-orchard mosaic landscape in southwestern Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Tokuoka Y and Hashigoe K
    • 雑誌名

      Folia Geobotanica

      巻: in press ページ: -

    • DOI

      10.1007/s12224-022-09408-z

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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