本研究の結果から、白川村には13棟の元合掌造りの家屋があることが明らかになった。五箇山は楮集落だけで8棟あり、より多くの元合掌家屋が残存していると考えられる。これらの建物の多くが1960年代から70年代にかけて屋根を下ろしており経済的な理由から軸部を撤去できなかったことがわかった。外観からの特定が困難で当初の予定とおりに五箇山全体の家屋を把握することができなかったのが今後の課題である。 また、念仏道場について、白川村は17世紀から18世紀中頃にかけて次々に寺号を得たため現在道場はない。五箇山の上平地区、平地区には少なくとも19ヶ所の建物が確認された。
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