日本の都市の起源が城下町であることが多い。生活に必要な水を得るために、水路が引かれ、さらに庭に池を造ってきた。その水路網と池のある庭園群が残る城下町は少なくなっている。現状の確認と現状の政策、そして名残や記憶の残し方を探ることが目的である。 長野市松代町、群馬県甘楽郡甘楽町小幡、福岡県朝倉市秋月、柳川市、長崎県雲仙市国見町神代を調査した。いずれも、水路網は維持されていることが多いが、池庭の減少は進んでいた。個人所有の池庭は宅地化されたり、荒廃している場合が多い。記憶を残す方法はガイダンス施設の建設や説明板の設置であるが、ほとんど整っていないことが明らかになった。
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