2019年度は昨年度に引き続き1.蘚苔類による緑化施工現場の実態調査、2.蘚苔類の生育特性調査、3.蘚苔類に発生する障害の発生機構の調査、4.過酷な条件での 施工技術の調査検討、および 5.病原菌フリー苗の生産システムの確立の研究を予定した。 1.蘚苔類による緑化施工現場の実態調査に関しては、昨年度と異なった条件である水平施工での現場のコケの生育状況、微気象等の環境条件、障害発生の実態を様々な条件の事例 について調査を行った。その結果、水平施工の場合は、いずれの季節においても日光の当たり方及び上からの強い水滴滴下が強い影響を与えることが分かった。特にドレイン下など、水滴が落ちる場所での損傷が激しかった。昨年度の垂直方面での調査と同様に、日照が極めて重要であることが分かった。 2.蘚苔類の生育特性調査に関しては、潅水条件などの水分環境、塩類集積などの化学性環境、基盤傾斜などの物理的環境に関する生育の特性に関する実験を行 い、適切な水分量、塩類への耐性の限界等を引き続き検討した。 3蘚苔類に発生する障害の発生機構の調査、に関しては、昨年度の調査で判明した不適切な灌水量、灌水間隔により支持基盤に水が溜まりその水が暖められ、仮根に障害を起こすケースに関し、適切な水分供給の条件を検討した。 4、5に関しては、昨年度の知見をさらに進める知見を得たが、来年度以降引き続きより詳細な研究を行う予定である。
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