研究課題/領域番号 |
18K05713
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研究機関 | 恵泉女学園大学 |
研究代表者 |
宮内 泰之 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 准教授 (70352705)
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研究分担者 |
本多 洋子 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 准教授 (10233983)
岩本 陽児 和光大学, 現代人間学部, 教授 (10350357)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 街路花壇 / 宿根草 / 在来植物 / 自生植物 / 栽培実験 / 市民ボランティア / コミュニティガーデン |
研究実績の概要 |
都市街路の花壇材料およびその具体的なデザインについて言及した研究はきわめて少ない。都市の街路景観を向上させつつ、花壇の維持管理等の労力、費用を低減するためには、宿根草及び 在来植物の導入は有効な手法の一つである。この点を踏まえ、本研究では、以下の3点を目的として、都市の街路花壇に関する調査と、対象植物の栽培実験を行った。①宿根草や在来植物の利用実態の解明、②街路花壇へ宿根草及び在来植物を導入するための基礎データの収集、③市民ボランティアによる宿根草及び在来植物と、植物の生育過程を生かした花壇づくりの実践手法の検討。 ①については、国内外のガーデンや街路花壇について実態調査を行った。その結果、高原や暖地など地域特性を生かした花壇づくりが重要であることを再認識した。また、イギリスの事例では、街路花壇におけるグラス類の有効性、ガーデニングを通した地域住民の交流といった新たな動きを見ることができた。また、多摩市のボランティア団体を対象とした調査では、市の配布苗への依存度が大きく一年草の園芸植物主体の花壇が半数以上を占めていること、その一方で、花壇において「季節と共に草花が成長、変化」という点を重視していることなどが明らかとなった。②については、狭小花壇での在来植物と園芸植物の混植実験を行い、街路花壇においても在来植物を効果的に活用する手法を確認した。③については、多摩市のボランティア団体に種まき苗の配布とその継続調査を通して、市民の花壇材料に対しての意識が、視覚的な部分をより重視していることが明らかとなった。 以上3か年の調査、実験を踏まえ、街路花壇をテーマとした公開学習会を実施した。これを通して、在来植物を街路花壇に導入する意義と課題、そして持続可能なボランティア活動の仕組みづくりの重要性についてさらに検討を深めていく必要があることを認識した。
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