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2020 年度 実施状況報告書

インドネシアの石炭採掘跡地の森林造成における生育阻害環境因子の把握と樹種特性

研究課題

研究課題/領域番号 18K05719
研究機関東京大学

研究代表者

則定 真利子  東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (00463886)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードEucalyptus camaldulensis / Melaleuca cajuputi / Acacia mangium / 根圏低酸素ストレス / Al過剰ストレス
研究実績の概要

根圏低酸素ストレスがAl過剰ストレス耐性に与える影響を調べたMcとEcを含む6種について、根のAl濃度を測定した。いずれの種についても、根圏酸素条件によって根のAl濃度が影響を受けることはなかった。Eucalyptus camaldulensisは、6種のなかで唯一、根圏低酸素ストレスによってAl過剰ストレス耐性が弱化する種であるが、その原因が根へのAlの蓄積の増大によるものではないことが明らかとなった。E. camaldulensisの根にはAlと結合して無毒化する機能をもつエノテインBが含まれており、それが本種のAl耐性に関与していることが報告されている。エノテインBの生合成に関与する酵素(gallate 1-beta-glucosyltransferase)の根端における活性を調べたところ、本種では根圏低酸素ストレス下で本酵素の活性が抑制されることが明らかとなった。本種のAl耐性の根圏低酸素ストレス下での弱化には、根端における本酵素の活性の低下によるエノテインBの合成の抑制が関与していることが示唆された。
Acacia mangiumの窒素吸収に根圏低酸素ストレスと根圏低pHストレスが与える影響を調べるための水耕実験系の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍のため、植栽地での成長と環境因子との関係の解析が進捗していない。

今後の研究の推進方策

コロナ禍のため、現時点で現地調査の見通しが立たず、今年度も現地での造林木の成長と立地環境との関係の解析の実施は難しいと予想している。研究期間を延長して栽培実験を追加的に実施することにより、根圏低酸素ストレスと低pHストレスあるいはAl過剰ストレスとの複合ストレスに対する熱帯造林木の応答や耐性機構に関する知見を増やし、成果を取りまとめる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により現地調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。今年度、現地調査が実施できる場合には現地調査と実験室における栽培実験の費用に使用する。現地調査が実施できない場合には、追加的な栽培実験を実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低Ca濃度下でAlが熱帯フトモモ科樹木の根の伸長に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      山ノ下卓, 則定真利子, 小島克己
    • 学会等名
      第132回日本森林学会

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公開日: 2021-12-27  

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