研究課題/領域番号 |
18K05734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
高橋 由紀子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60725266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スギ花粉症 / Sydowia japonica / スギ花粉飛散防止剤 / 微生物農薬 / 遺伝子攪乱 / マイクロサテライト / 分子生態 / 遺伝的多様性 |
研究成果の概要 |
本研究は、スギ花粉飛散抑制のための微生物資材として注目されるスギ黒点病菌(Sydowia japonica)の日本国内における遺伝的多様性と遺伝的構造を明らかにするとともに、国内に自生するスギの遺伝的構造との関係を明らかにすることを目的とする。先行研究でスギの遺伝的構造を調査した天然林を中心にスギ黒点病菌の分布調査と菌株の採集を行い、20道府県56個所でスギ黒点病の発生を確認した。同菌の全ゲノム配列を解読し、DNAマーカー作成に資するゲノム情報を整備した。作成したDNAマーカーを用いて国内の菌株の遺伝子型を同定し、遺伝的構造を解析した結果、地域毎に個体群集団を形成していることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
森林病理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国民の4割が罹患し、社会問題と化しているスギ花粉症の対策として、スギ雄花を選択的に枯死させるスギ黒点病菌(Sydowia japonica)を用いた花粉飛散抑制技術の開発が進められている。本菌を原体とするスギ花粉飛散防止剤の森林への大規模な空中散布が想定されているが、通常、微生物農薬は圃場のような管理された場所や森林内の一部を対象に使用されるのと異なり、自然環境下で生息する在来微生物群衆への遺伝子汚染が懸念される。今後想定されるスギ花粉飛散防止剤の散布に先立ち、スギ黒点病菌の遺伝的多様性を把握することは、微生物農薬の散布による遺伝子攪乱の影響評価を可能にするものである。
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