研究課題/領域番号 |
18K05738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
関本 均 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10261819)
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研究分担者 |
大久保 達弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10176844)
飯塚 和也 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20344898)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射性セシウム / スギ苗 / アンモニウム / カリウム / 吸収 / 移行 / 転流 |
研究成果の概要 |
Kと同様にNH4+にはスギ苗の137Cs吸収抑制効果があることがわかった。土壌には硝酸化成(NH4+からNO3-に変換)作用があるので、硝酸化成に伴ってNH4+の137Cs吸収抑制効果は低下することが示された。スギ苗の137Cs経根吸収はKの共存で明らかに抑制された。137Csの吸収移行に及ぼす137Cs添加後のK処理の影響はなかった。また、体内Kレベルが高いと137Csの吸収移行は増加することが示唆されたが、反対の事例もあった。挿し木実験からKは不定根への137Csの転流を抑制される傾向が確認された。137CsとKの相互関係を吸収・移行・転流のそれぞれの場面ごとに詳細に検討する必要があった。
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自由記述の分野 |
土壌肥料学、森林科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木の放射性Csの吸収移行と林床の挙動は、不溶態が大半を占める「全量」ではなく、「植物可給態(水溶性と希酸可溶性)」の放射性Csで評価されるべきである。可給態放射性Csの植物吸収や林床での挙動は、同じく植物可給態である、NやKなどの養分の動態に影響される。本研究は樹木や林床の放射性Csの挙動を、養分動態や植物の栄養生理に関連付けて、「農業分野の土壌肥料学的・植物栄養生理学的観点を森林科学分野に応用」しようとするものであり、新規な視点を提供することができた。また、森林科学分野では馴染みがないRIトレーサー実験を行ったことから、新しいツールを用いた研究例となった。
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